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プロジェクト名:理論に基づいた、低侵襲な近視治療器具(沼垣 勝さん)

【Kumamoto City Pitch】採択者

メドキュア株式会社 沼垣 勝(ぬまがき まさる)

【プロフィール(経歴)】 
熊本県玉名市出身在住  
システムコンサルティング会社にて医療画像システムやIoT等、多岐に渡るシステム開発に従事。

【実施する活動の詳細と、事業の目的とは何か】

こんにちは
メドキュア株式会社代表の沼垣です。

現在、近視が急増していることは、NHK等のメディアで多く取り上げられているため、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
文科省の最新の統計によると、視力1.0未満の割合は、中学校で過去最多の60.28%となっています。

世界的にも近視は急増しており、オーストラリア視覚研究所の調査で、2010年に約20億人だった近視人口が、2050年には世界の約半分の50億人になると予測されています。

世界の「近視」人口 現状よ予測

これは10年で約6%ずつ上昇している計算になります。
しかも、そのうちの9億3800万人は失明リスクのある強度近視になると推計されています。
強度近視は、合併症の発症率が高く、白内障で5.5倍、緑内障で3.3倍、網膜剥離で21.5倍となっています。

近視によるリスク

また、東アジア・南アジア・東南アジアでの近視による経済損失は、GDP比で約1.3%との結果が示されています。
これは日本で毎年8.7兆円の経済損失が出ている計算になります。

私は、娘が2人とも近視にかかり、視力が低下していくのを食い止めようと研究を始め、最近やっと近視の発症メカニズムを究明するに至りました。
そして、それを英論文にまとめ、アメリカ眼科学会発刊のジャーナルへ投稿しようとしています。

投稿論文には、論理的整合性が厳しく求められるため、論文校正サービスを活用することが一般的です。
私はアメリカの大手論文校正サービスEditageを活用し、その分野のプロによるピアレビュー(査読)にて、新規性と根拠性でともにエクセレント評価をもらいました。
また、その結果をもって日本の国立大学医学部の協力承諾を得ることができました。

ここで、その論文のあらすじを簡単に解説しようと思います。
まず、最初に取り上げた世界の近視人口調査はオーストラリアの視覚研究所で行われ、その調査論文の中で、10年で約6%ずつ上昇している近年の近視急増は「遺伝では説明できない」と言及されています。
遺伝ではないということは、近視者も正視者は同様の遺伝子を持ち、同様の代謝が行われていることになります。また、同様の代謝ということは、近視者も正視者と同様に眼球が円形に形成されていることになります。
しかし近視者の眼球は楕円形です。
つまり近視者の眼球は、円形に形成されたものが楕円形に「変形」していることになります

円形を楕円形に変形するパターンは以下の3つがあります。
①内部から押し広げる
②外部から押し潰す
③外部から引き伸ばす

まず、「①内部から押し広げる」ですが、これは物理的に不可能です。
眼球内部は硝子体で満たされており、内部から押し広げるようなものは眼球内部にありません。

次に、「②外部から押し潰す」ですが、これは困難です。
眼球外部にあるのは外眼筋と眼窩脂肪ですが、外眼筋は眼球を動かすためのもので、圧力をかけることはできません。
また、眼窩脂肪は柔らかく、眼球を変形するほどの圧力をかけることは困難です。

最後に、「③外部から引き伸ばす」ですが、これは可能性が有ります。
現代人は上や左右に視線を固定させることはほとんどなく、斜め下方向に視線を固定させる時間が非常に長い傾向にあります。
斜め下を見る際、下直筋と上斜筋が使われますが、重力に逆らって眼球を支える上斜筋に強い負担がかかり続けることになります。
疲れ目の時に無意識に押さえるのは上斜筋滑車部分であり、下直筋を押さえる人はいません。

つまり近視になるプロセスは、
①上斜筋によって眼球が長時間滑車方向へ引きつけられ、
②それによって眼球が滑車方向へずれ
③反対側に眼窩脂肪が流れ込んでずれが固定され、
④総腱輪は固定されているため眼球が引き伸ばされる
ということになります。
このプロセスが少しずつ進行し、視力が悪化することになります。

そしてこの発見から、遺伝との間接的な関係性が明らかになります。
近視進行プロセスにおけるずれに対する耐性には、個人差・人種差があるためです。
アジア人は目の位置が高く、開口部が広く、前方に出ています。
また日本人の眼圧平均は14.5 mmHgで、海外の15.5mmHgに比べて低いとされています。
これらは、ずれに対する耐性を下げる要因となります。
眼窩の位置や開口部の広さは眼球をずれ易くし、眼圧の低さは眼球を引き伸ばし易くしてしまいます。

また、合併症との関係性も明らかになります。
近視眼球は、外部からの変形ストレスが眼球に常時かかっている状態ということになりますので、代謝低下を引き起こし、それが長年続くことで機能不全を引き起こします。
合併症のひとつである網膜剥離の発症率が21.5倍と非常に高い数値になっていたのは、
近視眼球の眼底が、常に総腱輪方向へ引き伸ばされているため、当然の結果と言えます。

では、具体的にどうすれば近視が治るのかということですが、
近視進行プロセスを逆に辿ればよいということになります。

目尻側の奥に入り込んだ眼窩脂肪を本来の場所へ戻すことで眼球が後退すれば
眼球が本来の球形に戻り、視力が回復することになります。

弊社が開発した近視治療器具はPCT国際特許を取得済みで、先端が滑らかに傾斜したシリコン製のカップで、
眼窩と眼球の間にちょうど収まるよう設計されています。
これを眼に被せて、押し込みながら捻って20秒間維持することで、皮膚を少し引っ張り、眼窩脂肪を本来の場所へ誘導します。
そして、付属のホホバオイルを目の周囲に薄く塗ってもらうことで皮膚をケアします。

近視治療器具eyerevoを3ヵ月間モニタリングして頂いた方のデータでは、
平均1.57倍回復で、最大で2倍の回復が見られました。

私は、医療機器の販売においては、消費者の3大疑問に答えることが重要だと考えています。
①本当に効果があるのか?
②どういうメカニズムなのか?
③安全なのか?
そのためには、医療機関と連携して、臨床試験が必要不可欠だと認識しています。
しかし、そのためには数千万円の資金が必要となり、
まだ設立したばかりのベンチャーにとってはかなり高い壁です。

世界中で急増している近視を克服するための理論を確立し、治療できる器材を開発することはできましたが、それを立証するための臨床試験が行われないと、埋もれてしまうことになります。

皆様からの支援をいただき、是非、近視のない世界を目指したいと考えています。
ご支援の程何卒よろしくお願い申し上げます。


↓動画がございますので、どうぞご覧ください↓
動画リンクはこちら:https://youtu.be/gxqFwDNCTXk

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